ウルトラワイドモニターを探す
Innocn 23D1Fレビュー:最小・最安のウルトラワイドモニター!【1.3万円・23.3インチ】
価格 | 1.3万円ほど |
画面サイズ | 23.3 インチ |
解像度 | 1920×1200 (21:9) |
パネル/形状 | VA液晶 / 平面型 |
映像機能端子 | HDMI / DP |
USB-Cでの給電 | (端子なし) |
リフレッシュレート | 最大 75Hz |
こんな人にオススメ
・旅行先でウルトラワイドが使いたい
・とにかく安く!1万円台で頼む!
・映像表示以外の機能はなくてOK
こんな人には微妙かも
・モニターアームは絶対使いたい
・パソコンとUSB-C接続がしたい
最安値かつ最小サイズのウルトラワイド発売、と聞き勢いでポチりました。
ということで、1.3万円程で買えるウルトラワイドモニター「Innocn 23D1F」をレビューします。
一言でいえば、激安なのにちゃんと使えるウルトラワイドモニターでした。
ただ 当然ながら「コスト削減の影響を受けたポイント」や「23インチという超小型」な部分は要チェックです。
最小・最安のウルトラワイドに興味があればチェックしてみてください
記事作成(2023年5月)時点で「最安のウルトラワイド」ですが、今後はどうなるか分からない点は了承ください
どんなモニター?|Innocn 23D1F
スペック
製品名 | 23D1F |
---|---|
メーカー | Innocn (イノクン) |
画面サイズ | 23.3インチ |
アスペクト比 | 21:9 |
解像度 | UWFHD(2560×1080) |
ドットピッチ | 0.213 mm |
パネル | VA液晶 |
画面形状 | 平面 |
表面処理 | 非光沢(アンチグレア) |
映像入力端子 | 1×HDMI(1.4) 1×DisplayPort(1.4) |
色域 | sRGBカバー率:99% |
PBP/PIP機能 | × |
KVM機能 | × |
高さ向き調節 | 高さ:× 縦向:-5°~15° 横向:× 回転:× |
VESAマウント | × |
スピーカー | × |
最大の特徴は冒頭でも触れた通り、画面サイズが最小&価格最安のウルトラワイドという点。
実は同じ23.3インチのウルトラワイドとしては、1年くらい前にJAPANNEXTのJN-V233WFHDが発売済みなんですが、価格が2.1万円ほどでした。
そこから8000円も安く、1.3万円という驚きの価格で登場したのが今回レビューする「Innocn 23D1F」です。
ここまで低価格なので、色々な機能がカットされているとは思いますが….どんな感じか正直にチェックしてみたいと思います。
パッケージ・同梱物
最小のウルトラワイドらしく、届いた外箱もコンパクト。
取っ手が付いているので、片手でヒョイと持ち上げられます。
ダンボール素材の箱から、発泡スチロールに覆われたモニターと周辺機器を取り出します。
1万円の商品なので、さぞショボいパッケージが届くと思っていたので拍子抜け…結構ちゃんとしてるやん、と思ってしまいました。
モニター本体以外の付属品をチェック。
- スタンド
- アーム
- 土台
- 組み立て用のネジ
- 組み立て用ドライバー
- ケーブル類
- HDMIケーブル
- 電源ケーブル
- 紙類
- 簡易マニュアル
- 保証書
これといって特筆する点はありませんが、スタンドの取り付け用としてプラスドライバーが同梱されてました。
先端にゴムカバーが付いたドライバーが付属しているので工具は不要です(中国メーカーってこういう所をケチらないよね)
付属品が置かれた発泡スチロールの下に、モニター本体が配置されてます。
特に傷や汚れもなし。値段の割には安っぽさはなくて、ベゼルも薄そうで結構いい感じです。
スタンドの組み立て
取説書も一応付いてますが非常にシンプルで、足と土台をドライバーで固定するだけです。
完成です。
外観・筐体をレビュー|Innocn 23D1F
外観・デザイン
正面のメーカーロゴを除いて真っ黒、スタンドは鉄製なので重心が低くグラつきはありません。
背面も非常にさっぱりしてます。スタンドは見ての通り上下昇降させられないタイプです。
横アングルから見た様子。モニターアームは取り付け不可なので土台分の設置スペースは確保しましょう。
画面下部のベゼルは19mmほどで標準的。
サイドと上部のベゼルは8~9mm、結構薄いので野暮ったさがなくてナイスです。
スタンドも含めて驚異の3kg未満!マジで軽いです。
片手でサクッと持ち上げられます。
34インチのウルトラワイド(右側)と比較、ふたまわり程小さいですね。
端子・インタフェース
背面に操作ボタンと端子類がまとめられてます、水平方向に差し込むタイプです。
端子は左から順番に、
- HDMI 1.4
- Display Port 1.4
- オーディオ端子
- 電源端子
まあ1万円台のモニターなのでこんなもんだろう、という印象です。
残念ながらUSB-C端子はありません、最近のノートPCはHDMIがないこともあるのでチェックしておきましょう。
操作ボタン
上下左右+押し込みの合計5方向に動かせるスティック型ボタンで画面内メニューを操ります。
この操作が「めっちゃやりづらい」です。
反応が悪いとか動かしづらいワケでなく、「決定」が右方向にスティックを倒す操作で、スティックを押し込むとモニターの電源が落ちます…
スティックの操作 | 画面メニュー上の動き |
---|---|
奥に押し込む | 電源オン・オフ |
左方向に倒す | 戻る・キャンセル |
下方向に倒す | 下の項目選択・数値を下げる |
右方向に倒す | 決定 |
上方向に倒す | 上の項目選択・数値を上げる |
これまで使ってきたDellとLGのモニターは、奥に押し込むと「決定」だったので、慣れるまで電源OFFを連発してしまいました。
まあ明るさ・コントラスト設定を一度決めれば、後は電源ON/OFFくらいしかしないので大きなマイナスではないですが気になるポイントですね。
高さ向き調節
安価なモニターなので予想通りですが、チルトのみ可能です。
安さがウリの商品だと思うので、下手に高さ調節機構を付けて2万円近くなるよりはシンプルでいいと思います。
ただモニターアームが取り付けられないので、高さ調節が必要な場合は設置位置を調整する必要があります。
個人的にはモニターアーム非対応が一番痛いです。縦置きできればサブモニターとして使いたいサイズ感なんですけどね…
ディスプレイをレビュー|Innocn 23D1F
画面サイズ
Innocn 23D1Fの特徴は23.3インチという画面サイズですね。
ウルトラワイドモニターの主なサイズ4種と比較してみました。
インチ | 対角線長 | 横 cm | 縦 cm | 面積 ㎠ |
---|---|---|---|---|
23.3 | 59.2 | 54.4 | 23.3 | 1,268 |
29 | 73.7 | 67.7 | 29.0 | 1,965 |
34 | 86.4 | 79.4 | 34.0 | 2,701 |
29インチより二回りくらい小さいですね、面積でみてみましょう。
世間的には24インチのワイド型モニターが主流だと思いますが、それよりも狭いです。
…スーツケースに入んじゃね!?
と思ったので試してみました。
大き目のスーツケースならムリなく入りますね。
写真ではスタンドそのまま付けてますが、分解すれば問題なく運べます。
旅行・帰省先でもFF14をウルトラワイドで遊びたい!という方にはオススメ(笑)。
持ち運びやすさ重視ならモバイルモニターのがベターですが、ガッツリ作業・ゲームをやるならアリだと思います。
解像度
Innocn 23D1Fの解像度はUWFHD(2560×1080)、29インチのウルトラワイドでよく採用される仕様です。
通常のモニターも交えた解像度別の画素数(表示できる情報量)のランキングは下記の通り。
フルHDが横方向に延びた形になり、フルHDの約1.3倍の情報量を表示できます。
ドットピッチ (高精細さ)
画面サイズと解像度の組み合わせで決まるのがドットピッチ、つまり画素の大きさです。
画面サイズと解像度って何だっけ?(タップで開く)
サイズ:物理的な画面の大きさ(テレビと同じで単位はインチ)
解像度:画面を構成する粒(画素)の量(=画質の良さ/表示できる情報量が多さ)
↓の場合、2つの同じ「画面サイズ」のモニターでも、解像度が「4K」のモニターは「フルHD」の4倍の画素数(=4倍綺麗)となります。
24インチ・フルHD
24インチ・4K
「画面サイズ」で土台の大きさが決まり、「解像度」で土台の上に敷き詰める粒(画素)の数が決まるイメージ、切っても切れない関係にあります。
サイズ=大きさ、解像度=画質/情報量の多さ、です!
Innocn 23D1Fのドットピッチは適度に小さくて高精細に見える大きさです。
29インチで採用される解像度のまま、ギュッと23インチに縮めた形になるので、比較的ドットピッチが小さいですがムリなく視認できるちょうどいいサイズ感だと思います。
画面仕様(パネル・形状・光沢)
パネル | VA液晶 |
画面形状 | 平面 |
表面処理 | 非光沢(アンチグレア) |
パネルはコスパに優れたVA液晶、画面は完全にフラット(平面)です。
23インチと小型なので、視野角による画面端の見にくさは気になりません。
あと非光沢なので、自分や周囲が画面に映り込むことはないですね。
色の表現(色域)
表現できる色の範囲を示す色域を測定しました。
sRGBカバー率 | 99.0% |
DCI-P3カバー率 | 85.0% |
AdobeRGBカバー率 | 77.9% |
最もメジャーな色の規格(sRGB)ではメーカー公称値の通り実測でも99%でした。
いずれにしても、ガチのプロ用途でない限りは不便がない十分な性能です。
リフレッシュレート(ゲーミング性能)
リフレッシュレートは最大75Hzなので、ごく普通モニターと同じです。
激しめのアクションゲーム以外は問題なく遊べます。
FF14をプレイしてみましたが、発色や画質は全く違和感なくキレイ、普通に遊べました。
旅行先でデイリークエストやレイドを楽しみたい方はオススメ
機能をレビュー|Innocn 23D1F
残念ながらUSB-C端子はなし。モニターからのPC充電はあきらめましょう。
また、画面を分割表示するPBP・PIP機能もなし、1.3万円に多くを求めてはいけません…
スピーカー
スピーカーは搭載していません(イヤホンジャックはあり)
設定画面(OSD)
設定画面は日本語に対応。所々で変な翻訳がされてますが、まあ許容できるレベル。
前述の通り、操作ボタンの使い方にややクセがあります。
ライバル機との比較|Innocn 23D1F
ライバルになりそうな機種と比較してみます。
23D1Fの特徴は、最安・最小ウルトラワイドなので、それに対抗する製品を選んでみます。
- 画面サイズ:27インチ未満
- 価格が3万円未満
- ウルトラワイドモニター
条件を満たす機種と比べて、Innocn 23D1Fの優位性をチェックしてみましょう。
やはり価格がダントツに安いのが23D1Fの特長ですね。
モニターアーム不要+価格重視のウルトラワイドが欲しい方に23D1Fはオススメできます。
ただ、同じInnocn製の26C1Fのコスパの良さにビックリ…価格は倍近くですが、機能性も重視するならInnocn 26C1Fを選ぶと良さそうです。
レビューまとめ|Innocn 23D1F
1.3万円と激安なので、何か見えない欠点があるのでは…という予想はいい意味では裏切られました。
- 1.3万円という最安ウルトラワイド
- 持ち運べるサイズ&重さ(3kg)
- 高精細なドットピッチ
- 価格以上の質感・つくり
- 設定画面の操作がしづらい
- 高さ調節不可+アーム取付不可
- 回転しないので縦置きできない
- USB-C端子なし
万人にオススメできる商品でないので、点数はやや含めにしました。
当然リッチな機能があるとはいえませんが、価格を考えればすべて許せます!
とにかく安価にウルトラワイドが欲しいな、という方は上記メリット・デメリットを理解しておけばOK。
今後もこういった超エントリーな機種が増えるといいですね
以上、Innocn 23D1Fのレビューでした。
目次からレビュー記事に戻る